6May
日本政府観光局が2016年1月に発表した数字によると、2015年の1月から11月に訪日したマレーシア人は、前年同期比で30%増の9万7000人です。目的別では観光が最も多く、商用の2倍近い数字になっています。マレーシア空港が新千歳空港にチャーター便を飛ばすなど、日本側の経営努力もありますが、マレーシア人の旺盛な購買意欲が後押ししていると考えられます。
元々、マレーシア人の訪日旅行への関心には高いものがありましたが、日本は何でも高価格というイメージがあり、なかなか実行するまでに至らなかったところ、マレーシア経済の堅調によって訪日旅行が一般化してきました。そこにエア・アジアXが羽田空港に就航するようになり、ますます行きやすくなったことが要因として挙げられます。
マレーシアでは、学校休暇ごとに日本では首相が変わると言われたり、多数の所在不明な高齢者がいるなど、日本に関する誤った情報を含めて非常に関心は高いものがありました。マレーシアは日本のポップカルチャーの人気が非常に高く、マンガやアニメ、ドラマやファッション、和食に至るまで日本文化の人気は絶大です。マレーシア人にとって最も好きな外国は日本と言ってもいいくらいに、日本は良いイメージでとらえられています。
今までは、マレーシアの人にとっては日本は手の届かない高嶺の花でしたが、近年は観光客の行き来が高まってくるにつれて、「行ってみたらそれほど物価は高くなかった」という情報が集まるようになり、それが観光ブームを後押ししています。エア・アジアはこのブームにいち早く目をつけた会社で、クアラルンプール羽田間の便を運航開始した際には、日本との往復航空券を日本円で2000円程度でキャペーン販売したところ、大きなニュースとして受け止められました。クアラルンプールでは、毎年7月に大きな祭りが開催されますが、2014年から日本観光のための専用ブースも設けられています。マレーシアでは空前の日本旅行ブームが巻き起こっており、それによるインバウンド効果も期待できます。